コンサルタントのリョケンはこのほど、全国の旅館・ホテルを対象に四半期ごとに実施している「リョケン短観アンケート」の、今年7月調査分の結果を公表した。それによると、この夏休みの自館の客数見込みは「増加傾向」22.4%、「横ばい傾向」51.2%、「減少傾向」26.4%で、前年調査に比べ、「減少傾向」が7.0ポイント上回った。予約の間際化傾向はあるものの、地震や台風の影響もあり、全体的に厳しい状況だ。
調査は今年7月8〜23日、全国の旅館・ホテル682軒に実施した。回答数は125軒で、回答率18.3%。
夏休みの客数見込みを地域別でみると、「増加傾向」と答えた比率が最も高いのが「甲信越」の35.3%。NHK大河ドラマ「風林火山」の好影響が出ているものとみられる。「近畿・中国」も34.8%と高い数値を示した。
逆に、「減少傾向」と答えた比率が最も高いのは「北陸」の54.5%。
地域全体の客数傾向でも、「近畿・中国」「甲信越」は「増加傾向」と回答した比率が高く、それぞれ27.8%、25.0%となっている。「北陸」は70.0%が「減少傾向」と答え、「増加傾向」とした回答はゼロだった。
総宿泊単価については、「上昇傾向」23.2%、「横ばい傾向」62.4%、「下降傾向」14.4%で、6割以上の旅館・ホテルが「横ばい傾向」(前年並み)と回答している。前年調査との比較では、「上昇」「横ばい」「下降」とも1ポイント前後の増減で、前年とほぼ同じ回答となった。
「増加」「減少」 とも4割が回答 春の実績
春(4〜6月)の実績を聞いたところ、自館の客数傾向は「増加傾向」40.0%、「横ばい傾向」20.0%、「減少傾向」40.0%だった。前年調査に比べ、「増加」が1.8ポイント、「減少」が3.6ポイントそれぞれ上昇。「横ばい」が5.5ポイント低下した。
能登半島地震により、「北陸」の回答旅館・ホテル全館が「下降傾向」と答えた。半面、「近畿・中国」は6割が「増加傾向」と答えた。
総宿泊単価は「上昇傾向」28.0%、「横ばい傾向」58.4%、「下降傾向」13.6%。前年調査に比べ、「上昇」が6.2ポイント増加、「下降」が10.0ポイント減少した。